今回は、2015年4月号の「エル・デコ」に記載されている「日本を代表する木工椅子ブランドの日本の名作7脚」を参考に椅子を紹介いたします。
5、秋田木工 №16
※「秋田木工」は、1901年にトーネットの曲木技術が日本に伝わってきた後に、その曲木に適したブナやナラの豊富な地秋田県湯沢市に、1910年に「秋田曲木製作所」が設立した。後に、「秋田木工」に改称して、引き続き日本を代表する木工家具メーカーとして、曲木の分野のトップランナーとして伝統を守り育てている。
その「秋田木工」が奨める椅子が、創業当時から造り続けている「№16」である。
背・脚部や座など曲げ木の技術が随所に活かされ、曲げ木ならではの美しいフォルムと、軽量で丈夫さが特徴である。多くの人々に愛用されたモデルです。
6、天童木工 Antler Arm Chair
※「天童木工」は、1940年に、旧天童町他10ヵ所の村の大工・建具・指物の業者が集まって「天童木工家具建具工業組合」を結成した。この組合が始まりで、1942年に「天童木工製作所」を設立し、1962年に「天童木工」に社名を変更した。
その「天童木工」が奨める椅子が。「坂倉準三建築研究所」が1966年にデザインした「アントラー」アームチェアである。
この「アントラー」アームチェアは、肘から脚までを成形合板で一体化された、流れるような3方向へ伸びる曲線が組み合わされている。その交点に出来る三角の隙間に「コマ入れ」成形合板という技術が使われ、この「コマ入れ」によって美しさが増し、強度、耐久性も増している。
※「坂倉準三建築研究所」の創設者「坂倉準三」は、近代建築の巨匠として世界的に著名な建築家「ル・コルビュジェ」のアトリエで建築を学び、帰国後、1937年にパリで開催された万国博覧会の「日本館」の設計で、建築部門グランプリを受賞した。それによって、日本を代表する建築家として世界にその名前が知られた。1940年に、「坂倉準三建築研究所」を創設した。1969年の「坂倉準三」の死去にともない、弟子達は「株式会社坂倉建築研究所」と組織を改め今日に至っている。
7、カンディハウス リキウィンザーアームチェア
※「カンディハウス」は、1968年北海道旭川に、「カンディハウス」の前身となる「インテリアセンター」を「長原實」によって設立された。「長原實」は、開拓農家の3世として生まれ、15歳で家具職人の道に入った長原氏は、海外派遣技術研修生としてドイツに渡り、そこで学んだデザインや優れた経営、生産管理システムを取り入れ、帰国後に北海道産の材料を使った美しい家具づくりを目指した。
「カンディハウス」が奨める椅子は、デザイナー「渡辺力」の「リキウィンザーアームチェア」です。
イギリスの伝統的なウインザーチェアーを、日本人の体格と住環境に合わせてリデザインし、背 のスポークの太さに強弱をつけ、アームと脚の貫をつなぐ部材を座面に通したりして、美しさと技術を高度に融合させた椅子である。
※「渡辺力」は、1911年に東京白金に生まれ、1943年に「東京帝国大学農学部林学科選科」を修了し、同年に大学助手をし、1949年にフリーランスのデザイナーとなり「渡辺力デザイン事務所」を設立した。
今回は、「エル・デコ」、各メーカーHP他を参考に紹介しました。
☆参考
○大塚家具(№16のリデザイン)
○天童木工(アントラーアームチェア)
○100年に一人の椅子職人
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