パーフェクトウッドチェアⅠ

今回は、「エル・デコ」№163から「パーフェクトウッドチェア」を参考に紹介します。

初めに、「ハイメ・アジョン」がデザインし、「フリッツ・ハンセン」社が製作した「フレッド」です。

「フリッツ・ハンセン」と「ハイメ・アジョン」のコラボレーションによって、「フレッドラウンジチェア」は、美しいカーブを描くフレームで、低めのシルエットがクラシックなルーツを持ちながらもコンテンポラリーな雰囲気をもたらしている。緩やかな丸みを帯び、どの角度から見てもエレガントで装飾的なジョイント部は、デンマークデザインの伝統にちなみ、手作業で組み立てられ いる。長時間座るときにも快適に過ごせるよう、湾曲しつつも直立に近い角度の背もたれと、ワイドでフラットな存在感のあるアームレストが体を支え、包み込みます。大きなクッションはデザインの中に浮かんでいるような印象を与えます。張り地が取り外し可能なカバーとなっており、カバーを交換することにより雰囲気を変えることができます。

「ハイメ・アジョン」は、1974 年マドリッド生まれ、マドリッドとパリで工業デザインを学んだ後、1997年にはベネトンによって創立されたデザインとコミュニケーションのためのリサーチセンター「ファブリカ」に加わり、高名なクリエイティブディレクターであり活動家の「オリビエーロ・トスカーニ」と共に仕事をしました。

次は、「ピエール・ジャンヌル」の名作をレザーを纏って「カッシーナ」社が製作し発売した「キャピトルコンプレックス」です。

この椅子のもとは、「ル・コルビュジエ」が計画し、完成させたインドの「チャンディーガルのキャピタルコンプレックス」のうちの「議事堂複合施設」の事務局のためにデザインされたオフイスチェアである。(下は復刻版で、「PH29」として、Precious(プレシャス)より抜粋)

同じ「カッシーナ」社から2019年に「051キャピトールコンプレックスオフィスチェア」が発売された。

この椅子は、アムーレストを支える逆「V」字型のサイドバーを含む独立した部分は、すべて無垢材でできています。木製のフレームに張られた背もたれと座席は、チークのような地元の木材を使用するのと同じようにこの地域でよく見られる素材を使用しています。

「ピエール・ジャンヌル」は、1896年にジュネーヴに生まれ、ジュネーブの美術学校で建築を学んだ。1920年から22年まで「オーギュスト・ペレ」とその兄弟が経営していた建設会社に勤め、1922年からは従兄弟の「ル・コルビュジエ」と事務所を設立し協働体制をとった。1927年からは事務所に入所した「シャルロット・ペリアン」と「ル・コルビュジエ」の3人でLCシリーズに代表される家具のデザインを手がけた。

今回の最後は、2019年に「カール・ハンセン&サン」が復刻した「ボーエ・モーエンセン」の「ハンツマンチェア」です。

「ハンツマンチェア」は、ハンティングキャビンをテーマにした家具シリーズの一つとして、1950年に開催された「コペンハーゲン家具職人ギルド展」で発表された。

複雑な構造をシンプルなフォルムにまとめ、風格ある一脚に作り上げ、サドルレザー、木材、真鍮、ステンレススチールと、自然素材それぞれの持ち味を十二分に生かしたデザインとなっていて、座り心地と使い易さを追求したデザインの椅子である。

「ボーエ・モーエンセン」は、1914年にデンマークのオールボーに生まれ、1934年に家具マイスターの資格を得て、家具職人としてキャリアスタートさせた。並行して1936年から「コペンハーゲン芸術工芸学校」に入学し、ここで「ハンス・J・ヤコブセン」と知り合う。1938年に「コペンハーゲン美術工芸」を卒業し、引き続き「王立芸術アカデミー」で家具デザインを学んだ。当時の教授であった「コーレ・クリント」、「モーエンス・コッホ」に師事した。1941年に王立芸術アカデミーを卒業後、同校にて一時教鞭をとる。


今回は、「エル・デコ」№163、各メーカHPを参考に紹介しました。

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